Googleストリートビューが自治体の「許可」を得るのは難しそう

プライバシーの侵害に当たるとか当たらないとかで問題になっていたGoogleストリートビューであるが、GIGAZINEによると、今後自治体に事前通知することにしたらしい。

Google側は事前に説明しなかったことが問題だったため、そこを改善するという論理である。とにかくナンバーワン戦略のGoogleとしては、ここで問題を避けてラインナップを縮小する訳にもいくまい。

藤田氏は「事前に説明しておけばよかった。日本にはプライバシーを専門に扱う機関がないと判断した。詰めが甘かった。これからは積極的に説明したい」と述べた。

グーグル:「ストリートビュー」今後は自治体へ事前説明

個人的には、事前の「許可」ではなく「通知」としている点が気になった。

知人で、自治体からの予算で半ば公共性のある事業をやっている人がいて、その交渉の苦労話を聞いたことがある。とにかく新しいことを始めるのが大変で、予算はこうで運用はこうで、自治体(住民) にとってこういうメリットがあり、等々を全てお膳立てした上で、さらに紆余曲折を経て予算が出たとの話だった。ただ、一旦予算が下りると後の更新はすんなりと行き、担当者が変わったりすると、もう事業の中身を把握していなかったりしたそうである。

Googleもそこまで読んでかは知らないが、「許可」という高いハードルを狙わず、「事前通知」という絶妙なラインを突いている*1。面倒を嫌う自治体が「許可」を出す筈がないが、一企業の「通知」に対してあえて介入するのもまた"面倒"である。

ストリートビューは面白便利サービスだが、実際に訴訟になったりと問題点を抱えている*2。お役所仕事の妙を突きつつ、一方でお役所のお墨付きを得て責任を分散するという、Google仕事の妙。

*1:問題点を微妙に誘導している様にも見えるが。

*2:ここでは、公共の路上の撮影だからどうとか、私有地まで侵入してたとかの議論は脇に置く。