うごメモ問題から、はてなの方針を考える

「ゆうた」という自称小学生の「悪神」が、うごメモに投稿した動画が話題になっている。小学生にはあるよねー(かわいいじゃん、放っておけば)という意見から、オンラインゲームなら即刻BANでしょう(運営がきっちり対処すべし)という意見など、寛大なものから厳しいものまで色々だ(投稿者ではなく運営側に対して)。ざっと見ると、子供が見るメディアで、2ch的な煽り文化も流入して、子供が悪意にさらされるのが好ましくないという意見が多そうだ。少し引いた視線で、子供にネットリテラシーの教育の場が必要であるという意見も。

こくばん.inの中の人も心配していたが、はてなのこれからの対応が気になる。

もう一通り議論が出た感もあり、特に目新しい意見がある訳でもないが、はてな側の「自浄作用に期待している」対応について検討してみる(自浄作用を信じているはてなの運営はユル過ぎ、という意見とは別の角度で)。

はてなの方針は、私の印象では、運営側による監視で対応するのは例外的なケースに限り、モラルをルール化せず、システムでの運用を試みている様に見える。ゲームで言うと、禁止事項を増やさず、ゲームバランスの調整で乗り切るといった所か。

はてな文化」の元になるはてなの主要サービスを少しマクロに見ると、ブログやソーシャルブックマークグループウェアなど単体サービスの集合ながら、キーワードやスター機能などをハブに、相互にネットワーク化して、ユーザー同士のコミュニケーションの敷居を下げる働きに見える。Twitterプロトコルと言っても良いぐらいのもの(サービスってレベルじゃないぞ)を作ってしまったが、はてなは、インフラであろうとしている様だ。

これまでの「はてな体質」をふまえると、社会実験なのではと思えるぐらい、ユーザーの行動に干渉せず(システム面でも直す所はさっさと直すのに、直さないところは放置)、それがはてな文化とかはてなクオリティとか、それに付いて行けるユーザー同士の一種独特なコミュニティの土壌となっている印象だ。

個人的には(管理者でなくユーザー目線だが)、ゆうた君のこの投稿がもし確信犯的な釣りなら、これだけの反応が釣れて思惑通りだろうと思うし(悪質だが、ある意味優秀なはてなー)、もし小学生にありがちなガキの言動に過ぎず、直コメントで容赦なく叩かれて涙目でも、ブクマコメントで子供扱いされて不本意でも、投稿者本人にはいい授業になってるのではと思う。一般ユーザーから見て不快な投稿で溢れる問題について、システムの工夫で改善できるかが、はてなの腕の見せ所なのだろう。

後は保護者が見て許容できるかどうか。フィルタリングの問題に行き着くので深入りはしないが、作品の発表の場に、ニンテンドーDSでしかアクセスできない専用サーバーでなくインターネットが選ばれた時点で、総合的に、はてなの思惑を外していない気がする。

一方、任天堂的には、あまり面白く思っていないのではと思う。ユーザーの気持ちに立って些細な気配りを欠かさない、数々の任天堂伝説を残した会社であることを考えると、この騒ぎは放置する訳にいかず、何かしらの対処を検討していると予想される。休み明けの動向に注目。

以下余談。スターのインフレは個人的にはいまいちと思う。DoS回避のシステムはいいけど、ひとつのidでスター5個までとかにすればいいのに。ダイアリーなどとは通貨が違うと考えればOK?