体験を伝えるのに普遍化しようとすると陳腐になる

どの分野でも、バイブルと言われるテキストがある。先輩達はみんな読んでて、自分も勧められて読んではみても、抽象的なことばかりで実際どうするという段で使えないことがある。

ところが、後になってそういう本を読み返した時に、いちいち妙にツボに入ることがあって、当時の自分の未熟さを認識したりする。

学生時代、部活の飲み会に現れたOBの精神論に近いアドバイスを拝聴しながら、「現場を離れるとダメだな」と思っていた。今考えると、経験や教訓をシンプルに伝えようとすると、どうしてもありきたりな言葉に集約されてしまう気がする。

ある時たまたまカーネギーを読んでみたら、思ってたより普通でちょっと拍子抜けした。「当たり前なんだけど、この当たり前がなかなか出来ないんだよねー」という感想を持っただけだった。もしかしてと思い他の本もいくつか読んでみたけど、大体似たような感じ。

マルチ商法に関する俺の体験談を書く - sunomononanoの日記

特に自己啓発系のロングセラーでは、偉い人の言葉がシンプルに集約されて、「当たり前みたいな」陳腐な表現になってしまっていることがある。

逆に、OBや教師の説教で、シンプルにまとめるのが上手でない人は、話が長い。ただ、抽象化したまとめよりも、具体的な「経験」の方が聞く方にとっては大抵有用だ。

自分が教える立場の時も、汎用性とかを考えて気の効いたことを言おうとして、あいまいな表現になってしまうことがある。反省*1

*1:このエントリとか。